江戸時代、大和虫籠はお殿様や豪商の持ち物だったようですが、この御殿虫籠は、京都のお公家さんの虫籠だったそうです。
30年ほど前、偶然江戸時代のこの御殿虫籠が見つかりました。
朱色の漆で塗られたその御殿虫籠には蒔絵が施されていたそうですが、残念ながら保存状態が悪く、ひごもぼろぼろだったそうです。
その作品を森本さんのお父さんが、当時まだ20歳代だった若い甲子男さんに復元を指示し今に伝わっています。
ひごは、鈴虫のひげを痛めないように細く仕上げられています。
通常の虫籠は、直径1.3mm程度のひごを使用しますが、この御殿虫籠では、0.8mmという極細のひごを使うのでとても美しいです。
屋根のカーブがとても上品で大和型とは、またちがうカーブです。
台には、駿河指物の技術が使われており、漆塗り仕上げです。
もちろん、本当に鈴虫を飼うこともできますが、観賞用にと床の間に飾られる場合が多いです。
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