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京都の雅な扇子の世界 京扇子
 
白竹堂について

創業享保3年(1718年)
老舗ならではの趣きある扇子からファッショナブルな扇子や和雑貨等の取り扱いもされています。伝統に新しい風を取り込んで輝きのあるものづくりを営んでおられます。

  店内の壁一面に並べられた扇子達、どれも一点一点個性を醸し出しています。
   

徳川時代に扇を投げて置物を打ち落とす「投扇興」(とうせんきょう)が流行しました。「投扇興」(とうせんきょう)とは江戸時代の遊戯の一つです。台の上に蝶と呼ぶいちょう形の的を立て、1メートルほど離れた所にすわり、開いた扇を投げてこれを落とし、扇と的の落ちた形に準じて採点され、優劣を競います。1773年(安永2)頃から盛行しました。扇落とし、なげおうぎとも呼ばれています。白竹堂さんの店舗では雅な日本の伝統遊戯、投扇興を体験していただくこともできます。

京扇子とは

平安貴族たちの象徴だった京扇子は桧扇(ひおうぎ)として発展し、人々の心に安らぎと華やかさを与え続けてきました。室町時代になると、茶道・舞踊・香道など用いられるシーンや用途によって専用の京扇子が作られるようになりました。薄くて細い木の板をつなげたものが扇に発展していったと考えられています。ヒノキ板を重ねて綴った桧扇(ひおうぎ)から紙扇と変化し、13世紀になると海外にも輸出されるようになりました。京扇子の製作は分業して進められ、扇骨(せんこつ)加工や地紙加工をはじめ専門の職人によってそれぞれ仕上げられていきます。

一般的な紙扇の場合、扇面和紙に箔(はく)や上絵等の飾りを施し、折り型を使って骨の数に合わせた折り目を付けます。その後、扇骨の通るすき間を地紙にあけて中骨を差し込み、両端の骨をしっかりと糊づけして完成します。選び抜かれた竹や紙を用いて卓越した手仕事から生まれる京扇子には、見た目の美しさだけではなく、その独特の風合いや手にしっくりとなじむ持ち味など実用品としてのずば抜けた美しさがあります。

扇の歴史

まず扇の語源ですが、中国の書「説文」(せつもん)によると、「扇は扉だ」と記され、トビラと読んだそうです。解字してみますと、「戸」と「羽」を合わせた文字で、なるほど戸が羽根のように動き、故にあおいで風を起こす道具ということになります。つぎに、いつごろ扇が出来たか―諸説粉々ですが、平安時代初期にはすでに、現代の扇のようなものが存在していたと思われます。

扇子の薀蓄(うんちく)

扇または扇子のことを昔から末広(すえひろ)とも言います。それは開いた場合に先端のほうが広がることから繁栄を意味して縁起がよいことにつながるからです。とりわけご祝儀用として扇を贈り物にする風習は室町時代に起こったもので、以後現在に及んでいます。結婚や長寿をはじめ、あらゆる祝い事に、記念品として用いられています。また外国人の方にも人気があり、海外への土産など、広く世界中に愛されています。

生産工程

扇骨加工・要打ち

伐採された竹は多くの工程をへて加工されます。昔から大切なことの喩えによく使われる「要(かなめ)」。親骨と仲骨を合わせて要を打ちます。

折加工

扇面に折り筋を入れます。扇骨(仲骨)の数に合わせて、渋紙の型を当てて折り目を入れていきます。扇らしさがここで生まれます。

地紙加工・断ち

うちわの製作は紙を張り合わせて製作しますが、扇(紙扇子)の工程はまったく違います。地紙は三枚の上質の和紙を張り合わせて一枚の紙にします。その後扇面型に断裁します。合わせられた和紙の真中の紙(芯紙)が二つに分かれ、その隙間に扇骨(仲骨)が入ることになります。

仕上げ加工・中附け

扇骨の先に糊をつけ、二つに分かれた和紙の中央に差し込みます。親骨に熱を加え曲げて形を整えると扇の完成です。扇作りは、ほとんどが手作業で熟練を要します。職人さんの緊張は想像以上のものがあります。

上絵

あおいで涼しくなり、扇に描かれている絵からも、涼しさを感じとれます。(夏扇)職人さんによって丹念に手描きされる絵。水は流れ、花咲き、小鳥はさえずる。それらが絵師の鮮やかな筆さばきから生まれてきます。

   
扇子の各部分の名称

親骨(おやぼね)

一番外側にある、太い骨。扇子の骨には、竹や木などが使用され、蒔絵などで装飾したものや、親骨に本金で小さく家紋を入れることがあります。

中骨(なかぼね)

一番外側の親骨よりも細くなっています。和紙を貼り合わせた地紙に「中差し」という工程で穴を開け、中骨を入れます。

要(かなめ)

扇子の骨がバラバラにならないように止めておくために付いています。プラスチックや金属などでできています。この部位が壊れると扇子としての用を為さなくなるため、最も重要な部分です。 「肝心要」の「要」は、扇子の要のことです。

扇面(おうぎめん)

紙を貼ったものが一般的ですが、布を使用したものもございます。金箔などで装飾した豪華なものも。

天(てん)

扇面の一番上の部分。

 
男性の方におすすめ
短地箔(紺) 月の光(茶)

京都の伝統技術によって作られた季節を問わず、色々な場面で重宝していただける一品です。「短地」といわれる竹の部分の長いもので、しなやかな使い心地を味わっていただけるお扇子となっております。

銀箔を硫黄でいぶすことにより、独自の色合いを醸し出しています。大胆なデザインでありながらシックな雰囲気を残した扇子です。

女性の方におすすめ
月の雫(桜色) 粋花(桜)

銀箔を硫黄でいぶすことにより、独自の色合いを醸し出しています。細やかな金箔が素晴らしい雰囲気を味わせてくれる扇子です。飽きのこない淡い色合いで仕上げています。

黒地に一面に咲き誇る桜が絶妙な質感を醸し出してします。京都在住の木版刷り職人による手加工を施しています。大人な雰囲気を演出してくれます。

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