高山茶筅 -TAKAYAMA CHASEN- | JCRAFTS.com (日本の伝統工芸品)

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茶筅または茶筌（ちゃせん）とは、茶道において抹茶を点てるのに使用する茶道具のひとつで、湯を加えた抹茶を茶碗の中でかき回して均一に分散させるための道具です。

高山茶筅は奈良県生駒市高山町に伝わる伝統工芸品です。
高山茶筅のルーツは室町時代にまで遡ります。大和鷹山（やまとたかやま）城主の次男が、現在の高山茶筅の形を初めて作ったと云われています。村田珠光（むらたじゅこう）から千利休（せんのりきゅう）へと、茶道の隆盛と共に茶筅作りが活発になり、現在でも高山茶筅は全て職人の手作業によりつくられています。その国内生産シェアは、大和高山だけで全国の90％以上をも占めています。
高山茶筅は500年もの間「一子相伝の技」としてここ大和高山だけで受け継がれてきました。鷹山家滅亡後もその家臣によって「一子相伝」という主の言い伝えを固く守り、高度な技の維持と流出を防ぎつつ営々と受け継がれてきたのです。
お茶を点てる茶道具である茶筅は、その性質上、消耗品として扱われがちですが、紙よりも薄く繊細に削られた茶筅はとても美しく、まさに芸術品としても見る人の目を奪います。

日本を代表する文化の一つに茶道があります。茶道とは、伝統的な様式にのっとって客人に抹茶をふるまう事で、茶の湯とも言います。

茶の湯には｢濃茶｣(こいちゃ)と「薄茶」(うすちゃ)があります。
本来､濃茶が正式のもので、薄茶は濃茶の後に生まれた略式(普段着)のお茶です。
濃茶は「おこい」ともいい､一つの茶碗に複数人分（大体5人分）のお茶を練り、その人数で回し飲みをします。濃茶の場合､抹茶は､茶杓で3杯分を一人前として考えます。
薄茶の約2倍の抹茶を使用するため、泡立てず、練ります（飲んだ感じは､とろみがあります）。
薄茶は「おうす」ともいい､一人ずつ別々の茶碗に点てます。抹茶は一人前が茶杓一杯半。これに湯を注ぎ､泡立てます。茶道の流派によって泡の立てかたや、作法はそれぞれ異なります。

濃茶（こいちゃ）の場合は「点てる」(たてる)とは言わず、「練る」といいます。色も味も濃厚になります。この濃茶の飲み回しを「吸い茶」と言い、利休が始めたとされています。通常、中荒穂(ちゅうひらほ)、大荒穂(おおひらほ)、真（数穂かずほ）などの穂が荒いものがつかわれます。

茶道の流派によって泡の立てかたが異なります。三千家をとっても、表千家はうっすらと泡が立つ程度に、裏千家はたっぷりと泡立てます。
立てる泡がもっとも少ないのが武者小路千家です。通常、常穂(つねほ)、数穂(かずほ)、八十本立、百本立、百二十本立、真(数穂)など穂の細かいものが使われます。

穂先の数でも呼び方、使い道が違ってきます。濃茶なら穂先の荒い物、薄茶なら穂先の多いほうが通常使われます。

茶筌は竹の種類、穂の形、穂数、竹の太さ、竹の長さ、糸の色等によって区別されます。

安土・桃山時代に千利休〔せんのりきゅう〕によって大成された茶道は、千利休の死後、その子孫に受け継がれ、表千家〔おもてせんけ〕、裏千家〔うらせんけ〕、武者小路千家〔むしゃのこうじせんけ〕の、いわゆる三千家の流派が生まれました。
この三千家を中心に以降、多くの流派が生まれ、流派によっては用途や穂数等によって幾種類もの茶筌が使われ、その種類も増加し、今では全部で百種類以上にも及びます。
茶筅作りには、その流派の違いを覚えることがまず大切になってきますが、さらに穂先の弾力性を材料となる竹の性質によって細やかに変え、何百種以上もの茶筅を作りわけねばならず、それは正に職人といえます。

硬く粘りのある淡竹（はちく）の二、三年生が良材です。
十一月～二月にかけて切り出された竹を湯で煮沸し、油や垢を拭き、寒の太陽に一ヶ月晒して白くなると、取り入れて倉庫にしまいます。

日本の人家に使われていた白竹で釜戸、囲炉裏の煙で燻されて、こげ茶色に成った天然の竹です。
現在では茅葺の屋根も減り、天然のものはなかなか手に入りにくい貴重なものです。

茶筅の素材として良いとされる竹は、兵庫や奈良、京都など近畿地方の太平洋側の山で取れる竹だそうです。
このあたりの土地は養分が少ない為、その分竹が強く育ち、丈夫な茶筅が作れるからです。
エジソンが世界初の電球を、ここ日本の竹のフィラメントを使ってつくりあげた事は有名ですが、その時の竹も高山から程近い、京都府八幡市の真竹が使われていたそうですよ。

節上半分位から、竹の表皮を一気に薄くけずります。次に大割包丁で半分半分に割り十六分割にします。
これを、小刀でで皮肌と身を分け、内側の身は折って取り除きます。

流儀や用途で決められた穂数に、十六割の一片を、大小交互に割っていきます。

穂先の部分を温湯で煮て台の上に乗せ、根元から先になるほど薄くなる様に削っていきます。
茶筌の形によって削り方を変え、適当な薄さに削れたら、次は内側に丸くなるようにしごき形をつけます。
茶の味はこの味削りに依って変わると言われる程、一番難しく、職人の真価が問われる重要な工程です。

削り上がった茶筌の太い穂を、一本づつ両角を薄く削って角を取り除きます。
これによりお点前の時、穂に茶が附着しなくなります。

面取りの出来た太い穂を上げ、糸で編んでいくと、細い穂はそのままで太い穂は開きます。

糸かがりを二重にして根元をしっかり固定します。

内側の穂を竹箆（へら）で内側に寄せ、穂を組み合わせ茶筌の大きさを決め、根元の高さと間隔をそろえます。

穂先を曲げ直したり、それぞれの形に整え、根元から穂先までの高さ、間隔等を整えます。

代々続いた由緒正しい茶筌師の家に生まれ、若くして時の商工大臣より技術保存の資格を認定される。
昭和６２年には通商産業大臣より伝統工芸士に認定され、平成１１年通商産業大臣表彰を受賞。
古来からの茶筌の研究、師弟の育成に努め、品質の優秀と信用を認められ、業界トップの実績を誇る。

竹の日干し　
茶筅の原料となる竹を日干しにしている風景は冬の高山の風物詩。

近年、海外製の安価な茶筅もおおくありますが、それらは防腐剤、防カビ剤などの有害物質が多量に使われているケースがよくあります。
日本では冬に収穫した竹を一年以上乾燥させてから、茶筅を作るため、防腐剤・防カビ剤は使用しませんので身体にも安全です。
茶筅はお湯等を介して口に入るものですので、是非安全な日本製をおすすめします。
また、製造面でも茶筅の穂先を薄く削っていく工程を、日本製の茶筅は職

人が一本ずつ、小刀でそぐように薄くしていきますが、海外ではやすりで削るため穂先の表面に細かい傷が残り、穂先が折れやすくなります。

伝統的工芸品指定マークが貼られている製品は日本製の安全な商品の証です。

茶道家元御用達の本式野点傘。
日吉屋が誇る伝統の逸品です。
日本古来の「わび・さび」の文化に相応しい,落ち着いた美しさを持つ本式野点傘は,京和傘の頂点に立つ伝統工芸品です。
日本文化を代表する茶道の御家元(表裏両千家)のお茶席でご使用頂いているばかりでなく,英国エリザベス女王や故ダイアナ姫等,各国を代表する賓客をお迎えする席でも日吉屋の本式野立傘は使われています。

屋外でお茶を楽しむのに最適な野点籠セットです。贈り物にも喜ばれます。茶筌など、全て通常の物よりひとまわり小さいサイズになっておりますので、携帯に便利です。海外でコーヒーや紅茶を気軽に屋外で楽しんでいるように、お抹茶とお湯さえあればどこでも気軽にお茶をお楽しみいただけます。いつもと違った和のティータイムはいかがですか?

伝統的な釉薬である天目。表面に細かく現れた油滴がうつわの美しさを更に引き立てています。

純和風の竹林に、金箔があしらわれています。漆塗りの専用の蓋がついており、豪華な雰囲気漂う逸品です。

黄色く発色した伊羅保の釉薬が味わい深い抹茶碗です。原料の荒土も器体に表情の変化をもたらしています。

落ち着きのある表情豊かな素地に、赤や白、金等で丁寧に梅の木を描いた高級感のある抹茶碗です。